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zoom RSS 〜中国国連代表権と日本の戦争能力〜

<<   作成日時 : 2015/12/21 11:22   >>

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画像  最近の国際政治をみると、ISISが猖獗を極め、米国、や欧州で銃乱射やテロが頻発し世界の秩序は麻のごとく乱れ、アメリカも世界の警察官を自認することを否定している。一方、中国の経済力の向上とともに軍事力も増大し特に安倍政権は中国の脅威を煽り日本も戦争法案の法制化や軍事力強化の口実に利用している。しかし、戦争戦略の基本は軍事力というより寧ろ外交能力と外交資源にあると言えるだろう。その意味では、残念ながら日本が中国に及ばない面が国連における中国の常任理事国としての地位であり、連合国に対する日本の「敵国」という立場だ。戦勝連合国(米英仏露中)はいつでも「敵国」日本が、戦争 により確定した事項に反したり、侵略政策を再現する行動等を起こしたりすれば、予告なしに日本を攻撃・占領できる条項が国連憲章に「敵国条項」として現在でも明記されている。
しかし日本の一部には、国連が成立した時の中国は中華人民共和国ではなく、蒋介石率いる中華民国であり、即ち共産党政府ではなく、台湾の国民党政府こそが国連常任理事国としてあるべき正統政府であると主張する向きがある。しかし、政権は国家にとって絶対的、恒久的なものではない。例えば、日本が幕末にアメリカと日米和親条約や日米修好通商条約を結んだのは徳川幕府であったが、その後徳川幕府(政府)が薩長反政府勢力により転覆され、政府が幕府から明治新政府に交代しても条約は有効に継承されるように、また清国が列強と結んだ各条約が中華民国や中共に政権が変わっても有効であるように、中国の実効支配が蒋介石国民党政権から毛沢東共産党政権に移行すれば国連における代表権と国連における地位は共産党政権に継承されるのは当然だろう。たとえ現在でも常任理事国が中華民国と書いてあってもそれは条約締結時の相手国が政権や政体が変わっても条約相手国が過去に遡って書き換えられることがないのと同じだ。
この中国の国連代表権問題は1949年に中国の国共内戦に蒋介石が敗れ、台湾に逃亡したときから20年も論争が繰り返されたが、1971年中国を唯一の正統政府とするアルバニア案が総会で決議された。蒋介石の中華民国国民党政府とアメリが中国は一つであり、政府も一つだという理屈を振りかざし、国連成立時の中華民国の立場を中国の正統政府であると主張し日本もこれに同調したが、親北京のアルバニアは台湾アメリカの主張を逆手にとって北京政府を中国の代表政府としての決議案を国連総会の重要事項として提案し3分の2以上の賛成多数で議決に漕ぎ着け、台湾は国際社会から追放され、台湾は国連から脱退した。北京共産党政権である中華人民共和国の国連加盟問題ならアメリカも台湾国民党政府も常任理事国の特権である拒否権で葬ることができたが、代表権問題は安保理決議による勧告ができず米・台は自滅したのである。文化大革命時代、中ソ国境紛争でソ連と対立関係にあっても国連外交で米ソ両国を敵にしてもなお勝ち抜く中国の国際政治力には恐れ入る。
冷たいもので、台北国民党政府が国連から追放されるや、アメリカは掌を返すように同71年にキッシンジャーが北京を訪問し、翌72年ニクソンが訪中し中国敵視を和解した。日本は田中角栄首相が中国を訪問し台湾を捨て日中国交を実現した。アメリカが中国と国交を開始したのは7年後の1979年になる。余談だが、田中角栄首相はアメリカを差し置いて中国と抜け駆け国交を回復したために宗主国米国の逆鱗に触れロッキード事件をでっち上げられ政治生命を断たれ失脚している。アメリカは共産党中国と国交を回復したのは田中角栄以後7年もあとのことである。
 そうなると中華民国は台湾そのものの領有さえ国際法上の領有の根拠がないことになった。とはいえ国民党が台湾を実効支配しているため一定の国際的な認知を得ているが、戦後連合国のマッカーサー司令官の台湾接収の命令により蒋介石に支配を委任されたに過ぎず、その帰属は連合国の決定による。なぜなら、台湾は日本敗戦と同時に中国に返還すべき領土ではなく、明治時代清国が領有を否定した台湾を日本独自の領土のまま連合国の処分を待つことになっていたからである。日本を破ったのは蒋介石ではなくアメリカであり連合国なのだ。日中戦争では、国民党政権が独自に日本を敗戦に追い込んだわけではなく、中国に帝国主義的野心を持つアメリカが国益のために支援し日米戦争で日本は敗れたのである。西安事件を境に共産党軍が勢いづき、日中戦争のきっかけは共産党軍と日本軍の盧溝橋事件に端を発している点から、毛沢東共産軍との戦いが日中戦争になり、毛沢東軍が対日戦争に参戦し日本を苦しめ追い詰めている以上毛沢東共産軍も重要な対日戦勝ステーク・ホルダーである。国民党を駆逐し中国本土を支配し政権を確立すれば中国国民は北京共産党政権を選んだのである。かくして中華人民共和国が中国を代表であるとした国際社会の判断は覆すことはできなかった。
 一方アメリカも、70年代はじめベトナム戦争に苦しみアメリカのメンツを保って終結させるには北ベトナムを支援する中国の協力が不可欠だったため、台湾を見捨て北京政府の代表権と政府の承認を認めざるを得なかった。しかし、これまで言い張っていた原理とは異なることになるが台湾の国連脱退までは考えていなかった。しかし台湾政府はこれ以上汚辱にまみれたくないと国連を自ら脱退したのである。
 ヨーロッパの覇権国であったイギリスが新興ドイツ帝国の挑戦を受け戦い、イギリスはパックスブリタニカを誇った大英帝国の凋落を招いた。アメリカも東アジアの覇権を中国に認め、中国の挑発に乗ることなくアジアから漸次撤退することがイギリスの轍を踏まない歴史の教訓であり、これが新しい二大大国関係だという認識がアメリカには醸成されている。これに気づかず、アメリカの尻馬に乗って従米隷米路線を正当化するためにやたらと中国の脅威を煽り立てる安倍政権は、中国と日本を張り合わせ日本を利用しTPPで搾取する魂胆にまんまと乗せあれているのではないかと危惧する。アメリカの極東政策は、中国とは戦わない、日本と中国は戦争して欲しくない、日本が尖閣を実行支配している以上、尖閣領有権問題はこのまま放置させ日本が尖閣に軍事基地など作らせないというのが宗主国であるアメリカの本音であると断言できる。
 巷間、自衛隊は中国軍よりも優れている、戦っても負けないと子供じみた虚勢を張る意見が多く見られるが、それは限局的マクロ的近視眼でしかない。戦争は戦闘とは違うことがあれだけ日本がひどい負け方をしても学んでいないようだ。軍備が優れているアメリカがなぜベトナム戦争で弱小国ベトナムに負けたのか、なぜ朝鮮戦争でアメリカが北朝鮮ごときに勝てなかったのか。世界一の戦艦大和、世界一の零戦でなぜ日本は勝てなかったのか、それは戦争が局部的な戦術レベルの戦闘能力だけで勝敗が決まるわけではないことが理解できていないからであろう。仮に部分的には20万弱の自衛隊が核500発以上持つ200万の中国軍より強いとしても、敵国日本が戦勝国国連常任理事国中国を降伏させ戦争を終結できる道筋があるのか、アメリカがベトナム負け北朝鮮に勝てず今なお講和すらできないことよりも何倍もハードルは高い。戦争とは国家の外交意思を手段を選ばず貫徹することだ。最良の策は戦闘を略す(省略)することだ、これを戦略といいそれが戦争の究極の上策だ。孫子の兵法も戦わずに勝つことが最良の勝利だと説いている。戦闘で勝つことが戦争に勝つことではないという歴史的な教訓が身につかない日本はあの大戦で一体何を学んだのか。歴史上、武力で帝国を築いた国があっても天下(世界)を治めた国はない事を肝に銘ずべきだろう。アメリカの獅子身中の虫になって中国と再び戦争仕掛けることがあれば日本は今度こそ本当に日本は終わるであろう。敵を知らずして何を根拠に自衛隊が強いと断定できるのか、遺恨百年一剣を磨いてきた近代中国を侮ることは破滅の道だ。

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