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zoom RSS 〜民主主義を撃滅する資本主義の終焉〜

<<   作成日時 : 2016/04/04 08:39   >>

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画像    四月初め、日本の景気、経済は明らかなリセッションが数値に現れてきた、安倍瀬政権は来年の消費税を再度延期する口実を模索し、再延期を争点に衆参同日選を考えているという。誰もが望む消費税延期を政権側が争点にすること自体我田引水に過ぎないが、2度も消費税延期をせざるを得ないことはアベノミクスが破綻の証明でもある。利下げや政府による景気刺激策が全く通用しないことはケインズ経済学が限界に来たことを物語っている。
最近TEDを見た中で、非常に興味を引いたプレゼンゼンテーションに出逢った。経済破綻したギリシャの財務大臣を急遽引き受けた経済学者ヤニス・バロファキス氏の現在の資本主義に対する鋭敏な洞察に同意せざるを得なかった。
  趣旨を要約すると
1 資本主義が民主主義を食いちぎりつつある。
2 現在の人々は、民主主義とは当たり前に存在し、資本主義こそが民主主義をもたらすものと考えているが、大きな間違いだ。
3 資本主義が民主主義とは関係なく発展することを、シンガポールのリー・クアンユウやその模倣者中国共産党政権が疑う余地のないほど実証している。
4 世界経済には、負のツイン・ピークスが存在し、ひとつはアメリカをはじめとする先進国の巨大な財政赤字、負債であり、もう一つは識者のみが認識している惰眠を貪る巨大な投資先のないそれ以上のアイドル・マネーである。
以上大まかな現代世界経済の問題点の認識である。以下趣旨は概ね次の通り。
 この大きな問題は、巨大な資本の蓄積とともに経済が政治を侵食し、経済が実際の政治領域を左右しているのが実態だ。例えば、アメリカを見てもアメリカの真の支配者はワシントンの政治家ではなく、今やコーク兄弟と言われているように。コーク家は巨大な非上場会社の経済・企業帝国を築いており、共和党最大の資金スポンサーである。世界を動かす政治を上回る勢力は、ロスチャイルドであったり、アメリカの国際金融資本シンジケートやコーク一族であったり、金を支配するものが政治を支配する。日本でも、先進国では異例な経済財政制度による潤沢な特別会計を裁量で支配する財務官僚、大蔵省や財界の承認のない政権は民主的プロセスによって成立した政権でも3ヶ月で潰されることでもわかるように、経済財政権力を持たない政治権力は無力である。
 最近政治家が昔と違って小粒になったと言われるが、別に政治家のDNAが退化して資質が劣化した訳ではなく、政治領域が経済領域によって侵食され、政治の力が弱くなっているためである。政経分離の現在、財務大臣になったからといって根本的経済問題を克服する権限も権力もないのが実情だ。
 シンガポールのリー・クアンユーや中国共産党による経済発展の例があるからといって経済が民主主義なしで健全に発展するかといえば、それは誤りだ。中国も早晩、現在の先進国と同じ問題に直面することになるだろう。先進国に真の民主主義がないことも、中国にはじめから民主主義がないことも事情は似たりよったりだからである。しかし、欧米のように経済が力を持てば政治的民主主義は形骸化するし、中国のように経済を国家権力で優先すれば民主主義はなくても経済はいくらでも発展するが長くは続かない。
 原点にもどろう。民主主義とはそもそもなんなのか?ヤニス氏はアリストテレスの定義を引き合いに、民主主義とは大多数を占める自由人や貧乏人が政府を支配する制度だという。彼の民主主義の概念は観念的でなく実に現実的だ。しかし、欧米先進国の自由民主主義は、アテネの民主主義を踏襲したものではなく、13世紀のマグナ・カルタや1688の名誉革命、アメリカ合衆国憲法から発展してきたものである。従って、アテネの民主制は独立した自由市民を中心に貧しい労働者にまで力を与えたのに対し、欧米の民主制度は支配者の為の憲章に由来した支配者のための民主主義である。マグナカルタはアメリカ合衆国建国の理念ともなっている。欧米の民主主義制度の確立とともに経済の自由が政治と分離され、経済が政治の影響をあまり受けず発達し政治権力を乗っ取るほどに増長する元になっている。欧米の自由民主主義とは、経済・資本の自由主義と政治の民主主義ということができる。なぜなら、民主主義社会では、自由や基本的人権は当然前提となっている。
 政治と経済が分離した時から政治と経済の領域の熾烈な主導権争いが始まり、経済は政治に食い込んでき始めた。
現在、ケインズ経済学が通用しないと言われるのは、ケインズ経済学が政治と経済の融合を前提としているにもかかわらず、経済領域と政治領域が独自に存在しつつ経済が政治を動かしているからだといえるだろう。経済の健全な発展には古代アテネ的民主主義の成熟と経済と政治の融合が必要なのであるとヤニス氏は訴える。双子の巨大な負債の山と投資先のない遊休資本の山は現在のように金融、生産あらゆる面でオートメ化が進めばますます積み上がるという。企業や金持ちが資金を内部留保屋や貯蓄に回し、再投資しないため需要がのびず経済は停滞し雇用も賃金も上がらずますます市場経済が停滞し、リスクを恐れる資本家が投資を控える。オイデプスの父親が、息子が自分を殺すという託宣に恐れをなし息子を殺そうとするような状態に、知らず知らずにお膳立てしてますます遊休資本が積み増す一方経済は縮小に向かっているのが今の世界経済だ。それは例えるならば、捕食動物の集団が獲物を取り尽くし集団飢餓状態にななってやがて滅びるようなものだ。本来民主主義社会では低賃金労働者や失業者が放置されないように遊休資本が地球の再生可能エネルギー開発、人材開発に投資され二つの非生産的な山が相殺し合うべきだが、低賃金労働にロボットやオートメ化が入れ替わっても低賃金労働者の人材活用には至らずますます低賃金労働者が職を失い貧しくなり、行き着く先は映画マトリックスのように機械が人間を支配するようなユートピア(理想郷)ならぬディストピア(暗黒社会)が待ち受けている。
 ではどうすればよいか、経済の領域と政治の領域を合体させ、合体した領域を民主化することだという。そして世界経済規模でいえば、各国が共通の国際通貨立てで貿易し、貿易赤字や黒字の一定割合を共通通貨で拠出する協定を結び、G20のような人類の代表が、環境や再生エネルギー技術のために投資の足りない地域や国に投入する。しかしこれは目新しいアイデアではない、1944年プレトンウッズ会議でイギリスのジョン・メイナード・ケインズが提唱しているが当時はそれを実現する技術がなかった。しかしデジタル時代の現在の今なら可能だ。
 最後に、アリストテレスの定義する、大多数を占める自由人や貧乏人が政府を支配する制度だというアテネの民主主義をもう一度考えよう。現在の民主主義は、支配するものが自らの権力を正当化するための建前民主主義に過ぎず、その建前によって資本主義経済がさらに政治を歪め民主主義をDemos(市民)から遠ざけている。
 今こそDemosが立ち上がらなければDemocracyは劣化し経済は歪み、技術革新がスター・トレックの描く理想郷でなく、マトリックスのような暗黒社会が待ち受けている。ユートピアかデシトピアか選ぶのは我々の意識と選択にかかっている。100年前に経済と政治の融合を頃見たマルクス・レーニン主義の壮大な実験はソ連の崩壊によって不可能だったことを歴史的に証明している。そのソ連の崩壊から世界は何を学ぶべきか、それは政治と経済を融合させても、真の民主主義が実現できなかったことに限界があったと見るべきだろう。

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