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zoom RSS 〜NHK BS1スペシャル「日本はなぜ焼き尽くされたのか」〜

<<   作成日時 : 2017/09/03 18:02   >>

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画像   8月の終戦記念日が近づくと、毎年前の戦争の特集番組が放送される。今年はNHKが国家権力による戦争の非人道ぶりを感じさせる内容だったので意外に思った。戦争に対する否定的な番組は、現政権の軍事力強化方針と相いれないと思えるからである。小説「悪魔の飽食」で話題になったことで覚えている向きも多いと思われるが、国が否定してきた関東軍の731部隊細菌戦人体実験についてNHKがスペシャル番組で取り上げていたのは意外だった。あと一つがNHKBS1スペシャル「なぜ日本は焼き尽くされたのか」という番組が印象に残った。この番組について以前から関心があったからである。
米陸軍航空軍幹部の証言をもとに構成された番組で、要はヘンリー・スチムソン陸軍長官、ヘンリー・アーノルド陸軍航空軍司令官、日本本土爆撃群部隊の指揮官ヘイウッド・ハンセル准将、カーチス・ルメイ少将らの証言テープや記録で構成されていた。
  日本は、昭和19年に6月から7月にかけてマリアナ諸島を米軍に獲られてから約一年間に40万人もの日本人非戦闘員が空襲で殺されている。 B29が昭和19年5月ごろ実戦配備され極東ではアメリカの同盟国である中国四川省成都から日本の本土爆撃を敢行していたが、成都からでは東京、大阪など主要都市が爆撃できず、何よりもB29作戦に必要な膨大な燃料や爆弾等、陸路中国奥地への兵站は限界があった。そこで、同年6月太平洋戦争の帰趨を決めたマリアナ沖海戦に勝利するとアメリカは直ちにグアム、サイパン、テニアンに日本本土焦土化作戦の基地を作り、終戦時には1000機近いB29を配備していた。そしてマリアナの基地建設が進むと成都の爆撃隊をマリアナ各基地に合流させた。このころ、アメリカ陸軍航空軍は空軍として独立する悲願を達成するために、日本の本土爆撃で空軍力の威力を実証しようとしたが、日本特有のジェットストリームや冬場の曇天でB29の10000mの高高度からでは軍需工場を狙った爆撃はほとんど効果がなかった。最初に指揮を執ったハンセル准将は、民間人無差別殺戮には消極的でしかも精密爆撃の成果も芳しくなかったので、米陸軍航空軍司令官アーノルド大将はヨーロッパ戦線から成都へ移動し九州で精密爆撃に成果を上げていたカーチス・ルメイ少将の爆撃部隊をマリアナに合流させ、ハンセル准将と指揮を交代させた。  
ルメイ少将は、ドイツと比べ日本の対空砲火が貧弱なことと日本の家屋が木と紙でできていることに着目して、戦闘機の飛ばない夜間に命中精度の高い低高度から焼夷弾爆撃をすることにした。最も大規模な攻撃は昭和45年3月10日に行われた約300機のB29による東京大空襲で約10万人がこの一回の空襲で死亡した。戦略爆撃とは、本来は敵国のインフラや軍重工場を破壊し、これではとても戦争にならないと戦争を諦めさせることが戦略爆撃の目的であるが、日本人の真珠湾奇襲攻撃や200回を超える重慶無差別爆撃の報復を理由に本土無差別攻撃を受ける理由にもなっている。今日の民主主義が曲がりなりにも機能している日本なら、東京が焼野原にされたら、どんな政権でも吹っ飛んでしまうところだが、あの当時の日本では原爆が落とされるまで日本のほとんどの都市が焼野原にされても戦争をやめようとはしなかった。アメリカと違い、民意では戦争終結できない全体主義の悲劇がそこにあった。アメリカ軍部の日本人蔑視と日本軍部の国民軽視によって何百万人もの国民が焼け出され40万人もの国民の命が無視されたことが未曾有の悲劇のもととなった。巷間スチムソン陸軍長官は京都の歴史文化を守るため爆撃をさせなかったという戦後のメディアの美談仕立てが流布されていたが実際は京都原爆投下までに日本が音をあげて降伏したため投下に至らなかったに過ぎないだけだったというのが実態らしい。
  カーチス・ルメイ少将は、戦後「もしアメリカが敗戦国だったなら、自分は人道に対する罪で戦争犯罪に問われていたであろう」と述懐しているので、無差別爆撃には後ろめたさを感じつつも、B29の能力を発揮させるためには割り切るしかないと考えていたようだ。そして「戦争とはすべて道徳に反するものだ」とも述べている。
  世界初の最新最大の戦略爆撃機B29は莫大な予算をかけて開発した爆弾搭載量最大約9トン、航続距離5,000km、日本の局地戦闘機では迎撃できない実用上昇限度10,000mで与圧空調付きの革新的な超重爆撃機で、ルメイ将軍は「これで戦争に勝てる」と確信したという。日本が本格的な本土決戦前に「参りました、降参します」と戦争を終結させたのは米陸軍航空軍のB29戦略爆撃隊であった。日本を戦略爆撃で降伏させたおかげで昭和22年には、米陸軍航空軍は晴れて正式に空軍として独立した。
   なぜ日本は焼き尽くされたのかという疑問には、番組では具体的に結論付けてはいないが、次ののようなことが言える。
〇ルーズベルト大統領、スチムソン陸軍長官は早く戦争決着させ、米兵の戦死者を最小限にして帰還させたがっていた。原爆は終戦直前交代したトルーマン大統領の決断による)(政府)
〇オリンピック作戦(昭和46年3月に予定されていた本土上陸作戦)では多大な米国兵の犠牲者が予想され、それまでにB29の空襲で日本に降伏させ、その功績で米陸軍航空軍を空軍に独立させたいという幹部の強いこだわりがあった。(陸軍航空軍)
〇当初、精密爆撃で中島飛行機など軍需工場を狙って爆撃したが、日本の気象条件では精密爆撃は命中率が低くB29の能力を発揮させるには焼夷弾による無差別絨毯爆撃しかなかった。
〇日本は、軍需工場が町の中に無数に散在しているので無差別爆撃はやむなしとして正当化した。
〇決定的戦略兵器である原爆を広島長崎に投下され日本は戦争継続を諦め本土決戦までに降伏し、アメリカは何万人、長引けば何十万もの米兵の命が助かったとして原爆を正当化。
これらを一言で言えば、米陸軍航空軍幹部数人の強い意志によるB29の能力証明及び空軍独立の悲願達成のため無差別爆撃と国民を守るべき日本政府が国民に対する人命を軽視したことによって日本全土が焼き尽くされたということだろう。さらに極論すれば、なぜ日本が焼き尽くされたのかという理由は、極論すれば日本人国民も指導者も戦略爆撃という概念が通用しない特異な国だからであろう。
   ほんの数人の意向で、何十万人もの一般国民が殺されることに痛痒を感じない日米の戦争指導者の犯罪性は同じだが、敗戦国の指導者は処断され、戦勝国の戦犯は罪を問われることはない。あろうことか、ルメイ将軍は戦後日本から佐藤内閣のとき天皇の名で勲一等旭日大綬章を叙勲し最大級の栄典を与えられている。もっとも理由は航空自衛隊の創立に功績があったからという。日本のアホぶりも度を越している、文字通り「勝てば官軍」だった。中東の戦争では、アラブゲリラ兵がレストラン一軒を爆破したら「テロ」と極悪人のように大騒ぎするが、アメリカ人が日本中を爆破焼き尽くし何十万人殺しても「正義の戦い」で済まされる。愚かな国民の戦争肯定意識と国防予算増額を狙って北朝鮮の核弾頭も積んでいない単なる空(カラ)のICBMのドンガラ飛翔実験をさも大変な空襲のように、かつまた戦争前夜のようにJアラートで煽って国民に北朝鮮の脅威を刷り込ませている一方、最近アメリカがバンデンバーグ基地から6000Km以上離れたマーシャル群島近海までミニットマン3型ICBMを発射しても誰も非難しない。アメリカ国内でさえ、米政府は北朝鮮のミサイル実験を非難しながら、自国のICBM発射には国防のためだと正当化しており、「これは明らかなダブルスタンダード」だと平和団体の会長が批難していたがその通りだ。愚か者は己の経験からしか学べないが賢者は歴史から学ぶという、最近の日本は、あれだけ日本中を焼き尽くされたうえに原爆2発も落とされるという経験をしたにもかかわらずアメリカと供に戦争をやりたがっている。安陪首相はたった70年前の日本民族最大の歴史から何も学ぶことが出来ない救いようのない痴れ者と言わざるを得ない。
  

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